2019年12月27日金曜日

白金カイロ

  今年の友人たちへ出したホリデーカードの一部
 こんな気持ちで夫を送り出したこと、懐かしく思い出しました。


 私たち家族の「変な暮らし」も5年が過ぎました。姑は今日も毎日息子のためにママ弁を作り、お天気が良い日には布団を干して、お日様の匂いを与えてくれます。母が作ってくれる三度のご飯が食べられることに感謝して、夫も毎日頑張っています。
 思えばこの暮らしを考え始めた時、私は理不尽な思いに押しつぶされそうな気持ちでした。この国で一国一城をもつ夫の努力を側で見てきた私には、耐えられない思いだったのです。しかしその時に、ある物が私の気持ちを楽にしてくれました。 
 それは白金カイロ。腰痛持ちだった私の父は、私が幼い頃からいつも白金カイロを腰につけて働いていました。小さなカイロにベンジンを入れて、それにマッチで火を付ける。そんな母の朝の日課を、幼い私は不思議な思いで見つめていました。そしてその白金カイロが、ギリシャで灯された東京オリンピックの聖火が飛行機に乗って海を渡るために活躍したと聞いた時、先人のとんちに感動するとともに、未来への尊い光を感じたのでした。
 そう、あなたは城の火を消すわけではない。白金カイロに火をつけて、また日本で火を灯せば良いのよ。そう言って私は夫を送り出すことができたのです。
 2020年はオリンピックの年。私たち家族にとっても、また素晴らしい聖火がともるそんな健康に恵まれた一年になれたら嬉しく思います。
 新しい年も、どうぞよろしくお願いいたします。